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返り点と送り仮名の施し方

  • 2020/04/18 14:34
  • カテゴリー:訓読
(内容:新型コロナウイルスによる休校で、「返り点と送り仮名を施す順」というアニメーションGIFを作ったこと、全返り点編。)

勤務校がコロナのせいで休校中、そのためにオンライン課題の作成や動画撮影に追われているという話は、前エントリーに書きました。
さしあたって、一度も教えたことのない新1年生に、漢文はどんな課題を出せばいいのやら…と考え、「返り点と送り仮名を施す順序」をアニメーションGIFにして公開することにしたわけです。

それぞれの返り点の働きは『体系漢文」や教科書で自習してもらうことにしましょう(というより、中学校で習ってきたはず)。
しかし、おそらく送り仮名を上から順に施し、その後に返り点をこれまた上から順につけているであろうと想像するわけです。
たぶん、中学校の先生方は、施す順までは教えておられないでしょうから。

この手の話をすると、必ず「返り点と送り仮名はすでに施されているものを読むためのもので、施す順など関係ない!」と、声高におっしゃる方が出てきます。
確かに訓点のついた漢文を読む限りはそうなのですが、実は教える先生方だって、最初の授業から黒板に漢文を書いて、返り点と送り仮名をつけなければなりません。
それをノートに写す生徒だって同じです。
つまり、漢文を教える・教えられる初日から、漢文を書き、返り点と送り仮名を施さなければならないわけです。

施す順序に決まったものはないのかもしれませんが、私としては、読む順に施すのが最善と考えています。
つまり、漢字を読んでから、上に返ることを示すために返り点をつけ、その上で上の漢字に送り仮名をつける。

レ点の場合なら、下の漢字に送り仮名を施し、レ点をつけ、上の漢字に送り仮名を施す。

一二点の場合なら、下の漢字に送り仮名を施し、その漢字に一点をつけ、上の漢字に二点をつけ、それから上の漢字に送り仮名を施す。

ですから、「一レ点」や「上レ点」も、施す側からすれば1つの特殊な点ではなく、レ点と一点、レ点と上点が、異なるタイミングで同じ箇所に施された2つの点になるわけです。

なにを当たり前のことを…と思われてしまうようなことを書きましたが、とりあえず完成したアニメーションGIFを公開します。

1.レ点

2.レ点の連続

3.一二点

4.一二三点

5.一二点(熟語に返る時)

6.レ点と一二点の混合

7.上下点

8.上中下点

9.一レ点

10.上レ点

11.まとめ (1~10 をpdfファイルにしたもの。印刷可)

(↑それぞれクリックしてみてください。)

こういうのは慣れない作業である上に、膨大な時間がかかり、すっかり疲労してしまいました。
もし、訓点を施す順序に自信がない方は、ぜひお役立てください。

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